

今日は、大日本印刷(7912)11月14日の値動きについて、
受講者さんと共有しておきたい話があります。
好決算で始値から高値をつけたにも関わらず、
その日のうちに失速し、翌営業日にはさらに急落。
まずは、決算の“事実”を整理してもらえますか?

はい。株探が報じている決算内容は次の通りです。
■ 2026年3月期・第2四半期決算(4–9月)
連結経常利益:529億円(前年同期比 +5.8%)
進捗率:50.4%(5年平均 41.2% を大きく上回る)7–9月期(2Q):246億円(同 +1.2%)
売上営業利益率:5.6% → 6.4%に改善
数字だけ見ると、「普通に好決算」です。
しかしチャートは、高値 2,680円をつけたあと急反落しました。
ここに「ニュースと値動きのズレ」が生じています。

ですよね。個別の決算内容は良好。それでも下げた。
ここで、チャートの裏側にある“構造”を確認したいんです。
11/14 に売りをぶつけたのは誰なのか?
推測でもいいので、説明してもらえますか。

はい。
考えられる最大の要因は、
「好決算で板が厚くなる日を、大口が“出口”に使った」という構図です。
▼ 大口(ファンド)がこの日に売った理由
- 好決算直後は個人投資家の買いが集まり、板が厚くなる
- 数十万株〜数百万株レベルの“在庫処分”がしやすい
- 「噂で買って、事実で売る」が機能するタイミング
- 高値更新=利益確定を最も入れやすい瞬間
▼ さらに、当日は市場全体が悪化
- 日経平均が 900円超の急落(全面リスクオフ)
- 換金売り・投げ売り・アルゴ売りが連鎖
つまり、「好決算だから売られた」というより
“好決算の日は、大口が売りやすい需要が揃う”
この方が実態に近いですね。。

私もそう考えています。大量に持っているファンドは、
売りたくても「相手(=買い手)」がいないと売れません。
だからこそ、“買いが集まる日にぶつける”
これは相場の鉄則なんですよね。
ここで受講者さんに誤解してほしくないのは、
この動きを“事前に予測する方法は存在しない”
ということ。
その点も解説してもらえますか?

はい。
この売りが “事前に分かる人”は、ごく一部です。
- ファンドの関係者
- 巨額フローの存在を握る人
- インサイダーに近い立場の人
しかし——
🔻 個人投資家が
「11/14の大日本印刷が上髭をつけて反落する」
と事前に当てるのは完全に不可能です。
ゆえに、
私たち個人がすべきは、
急落を当てることではなく、急落で死なない設計を持つこと。
この一点だけです。

ここが受講者さんに“絶対に伝えたい核心”です。
🔥【ここから本題】
「好決算 → 上昇」のスキーマを書き換えろ。
受講者さんの多くが持っているスキーマ(思い込み)は、
- 好決算なら上がる
- いい材料が出たから安心
- 決算が強い銘柄は買い
でも、今回の大日本印刷のチャートは、その逆。
“好決算の日こそ、大口の出口になり得る”
これを“腑に落として”初めて、
実践投資家としての視界が開けると思います。

はい。
大日本印刷の事例は、
「ニュースを見る投資」→「需給を見る投資」へ切り替える教材
として極めて優秀です。
▼ ニュース依存のスキーマ
- 良い決算=買い
- 下がったら理由を探す
- 理由が分かれば安心したい
▼ 需給スキーマ
理由より“値動き”がすべて。
決算より“誰が売っているか”が重要
高値更新+出来高急増=出口になりやすい

この違いがわかると、
受講者さんの「見え方」が一気に変わるはずです。
📝【月課題ワーク】
※そのままコピペして使えます
【11月月課題・補足ワーク:大日本印刷ケース】
■ Q1:11/14のローソク足を「ニュースなし」でどう評価するか?
- 事実:
- 印象:
■ Q2:あなたが保有していた場合、逆指値はどこに置くか?理由は?
- 逆指値:
- 根拠:
■ Q3:決算(好材料)と地合い(全体急落)を知った後、判断は変わるか?
- 理由:
■ 今回の気づき(OS・スキーマの観点で)

【住川メッセージ・まとめ】
好決算で上がるのは「理屈」。
好決算で売られるのは「構造」。
そして私たちは、
“構造”の側で戦わなければいけない。
- ニュースに反応する投資を捨てる
- 需給の変化に反応する投資へ
- 急落を当てるのではなく、急落に“備える”投資へ
これが、
実践投資家へ進化するための“OS書き換え”です。
3ヶ月・再始動プログラム
ー 再現性を、取り戻せ。ー